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鉢巻きに、明らかに町人とは浮いた姿の青年が酒場から出て来た。
気を取られたシャアを押し返した。
アムロは随分息が上がっていた。
「…その恰好、この世界の者じゃないな」
シャアは、剣を仕舞う際に小声で、アムロに「命拾いをしたな」と声をかけた。
「ああ。俺も異世界に飛ばされたガンダムファイターの一人だ。」
「ガンダムファイター?」
聞き覚えの無い名前にシャアはアムロを見た。
アムロは首を横に振った。
どうやらアムロも知らないらしい。
「外にあるガンダムを見た。
あれは、軍仕様向けか?何処の国なんだ?」
「…まさかとは、思うが君は宇宙世紀何年生まれなんだ?」
アムロは、シャアの横まで歩いた。
「なんだ、宇宙世紀って?俺は未来世紀0040年生まれだ」
アムロは、その聞き覚えの無い世紀を言う青年は、また違う別次元の青年だと悟った。
アムロは、その青年に違う世界であることと、元の世界に戻る為には、バラモスを倒さなきゃならない話を知った。
「俺達の力になってくれないか?
一人より二人の方がいい。」
「帰る手段があるなら協力させてもらう」
「ありがとう、俺はアムロ・レイ。そっちはシャア・アズナブルだ」
アムロは、青年に握手を求めた。
「俺はドモン・カッシュだ。」
ドモンは、その手を握りしめた。
「しかし、何処へ行けばいい?」
シャアは投げやりな感じになって聞いた。
「酒場の奴の話だと、目の前に見える塔に、『盗賊の鍵』というのががあるらしい。」
ドモンは、最初、アムロが目にした塔を指で指した。
「あそこにか…」
アムロは、少し溜息が出た。
νが少しでも動けば、どんだけ旅が楽になるだろうと思ったからだ。
さっきから黙り込んだシャアと、ドモンと三人の旅が始まった。
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