第一章『始まりの都』

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鉢巻きに、明らかに町人とは浮いた姿の青年が酒場から出て来た。 気を取られたシャアを押し返した。 アムロは随分息が上がっていた。 「…その恰好、この世界の者じゃないな」 シャアは、剣を仕舞う際に小声で、アムロに「命拾いをしたな」と声をかけた。 「ああ。俺も異世界に飛ばされたガンダムファイターの一人だ。」 「ガンダムファイター?」 聞き覚えの無い名前にシャアはアムロを見た。 アムロは首を横に振った。 どうやらアムロも知らないらしい。 「外にあるガンダムを見た。 あれは、軍仕様向けか?何処の国なんだ?」 「…まさかとは、思うが君は宇宙世紀何年生まれなんだ?」 アムロは、シャアの横まで歩いた。 「なんだ、宇宙世紀って?俺は未来世紀0040年生まれだ」 アムロは、その聞き覚えの無い世紀を言う青年は、また違う別次元の青年だと悟った。 アムロは、その青年に違う世界であることと、元の世界に戻る為には、バラモスを倒さなきゃならない話を知った。 「俺達の力になってくれないか? 一人より二人の方がいい。」 「帰る手段があるなら協力させてもらう」 「ありがとう、俺はアムロ・レイ。そっちはシャア・アズナブルだ」 アムロは、青年に握手を求めた。 「俺はドモン・カッシュだ。」 ドモンは、その手を握りしめた。 「しかし、何処へ行けばいい?」 シャアは投げやりな感じになって聞いた。 「酒場の奴の話だと、目の前に見える塔に、『盗賊の鍵』というのががあるらしい。」 ドモンは、最初、アムロが目にした塔を指で指した。 「あそこにか…」 アムロは、少し溜息が出た。 νが少しでも動けば、どんだけ旅が楽になるだろうと思ったからだ。 さっきから黙り込んだシャアと、ドモンと三人の旅が始まった。
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