天上界

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日の本の国の雲の上からこの一部始終を見ていた者がいた。 天上界にその名を轟かす武神阿修羅王である。 「地上にも、凄いやつがおるのぅ。のぅ虚空よ」 「しかし阿修羅様、この信長という者恐らくただ者ではございますまい。この智謀と勇力は日の本の国を統一する器でごさいます。但し、わたくしが地上界を見る限り同じ器を持つものがあと幾人ごさいます。」虚空菩薩は言い放った。 「これから血で血を洗う時代になると言うことか・・」阿修羅王は言った。 「地上界を統括する天上界の立場としては、人間と人間が殺し合うのを見て見ぬふりはできません。かと言って直接我々が降りて行って手を下す事もしてはなりません。」 「確かにのぉ。そうじゃ、間接的になら掟には触れんじゃろ。ワシがこの信長とやらに肩入れして最小限の被害で国を統一して平和な世の中を作ってやろう!どうじゃ!」 「やれやれ、阿修羅様の物好きにも困ったものだ。」 「何か言ったか?」 「いぇ別に・・。」 こうして地上界の信長軍が天下を統一すると思われたのだが・・。
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