念仏

1/1
前へ
/144ページ
次へ

念仏

この話は ある宗教団体に入っていた 葬家さんから聞いたものです… その人は、昔から霊感が強く、今までに何回も霊の声を聞いたり、霊の姿を見てきたそうです… そして、その霊感は子供にも受け継がれ、子供も不思議な体験をしているそうです… 家族は4人で、旦那さんだけが霊感がないそうです… 子供を心配して、念のため宗教団体に家族全員で入ったのですが… ある晩 子供が寝ていると… 何者かの気配を感じて、目が覚めました… すると突然、身体が金縛りに… そして 『はぁ… はぁ…』 弱々しい息づかいと共に、何者かが布団の周りを、ゆっくりと 歩いて回っていたそうです… 子供は怖くなり必死に 『南無妙法蓮華経… 南無妙法蓮華経…』 と念仏を唱えていたそうです… どれくらい念仏を唱えていたでしょうか… いつのまにか金縛りが解けていたそうです… 金縛りが解けて、ホッとして念仏を唱えるのを止めると… 突然 耳元で… 『そんな事言えば、帰ると思ったのかい…』 かすれた女性の声だったそうです… その霊は、それだけ言っていなくなったそうです… そんな出来事から1週間くらいして、一緒に住んでいた お婆さんが亡くなったそうです… その霊は お婆さんを迎えにきた霊だったのでしょうか… その家族は お婆さんが亡くなってすぐに 宗教団体を退会したそうです… 信仰心の強い人ほど、この出来事はショックだったのでしょう… 私も同じ体験をしたら… と思うと、ゾッとする話でした…
/144ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24069人が本棚に入れています
本棚に追加