彼女

2/5
前へ
/144ページ
次へ
会って話を聞くと、付き合っていた彼氏が自殺したと語り始めました… 彼氏の家に泊まり、朝起きたら 台所で首を吊った状態で、ぶら下がっていたそうです… Nが身体に触ったときには、まだ温かく すぐに下ろせば助かると思ったそうですが、女性の力ではどうする事も出来ずに、救急車を呼んで 隣に住んでいた彼の両親を呼んだそうです… しかし彼は息を吹き返す事なく、還らぬ人となったそうです… Nは否定していましたが、もしかしたら私との やり取りも自殺の原因のひとつだったのかもしれません… その日はNの実家に送り、『変な事考えるなよ…』 と言い、私は帰りました… 彼氏のお通夜は翌日だったのですが、担当する葬儀屋が、私の知り合いだったので、よろしく頼むと電話で伝えると… 翌日知り合いの葬儀屋から電話が… 『お通夜の会場でもめ事になってるぞ…』 私がNに電話で確認すると… 彼氏のお通夜で、彼の両親に … 『あなたが殺したようなもの…』 と言われて、会場から出されたそうです… 私はNを一人にしておけないと 直感で感じ会いに行きました… Nは 彼の死から一睡もしておらず、疲れ果てていました… これはヤバいと思ったので、二人でラブホテルへ行き、『俺は起きてるし、何もしないから安心して寝なよ…』と言いました。 もちろん 彼女に何かしよう等という気持ちは無く、私はNが後を追って自殺するのが心配でした… 一時間くらい話すと、彼女は、かなり疲れていたらしく、いつの間にか寝ていました… 私は Nに、どうアドバイスしたものか… と考えていると… 寝室の扉の向こうに、黒い影が 行ったり来たり… その瞬間、私は気分が悪くなり、吐き気をもよおしました… 私の場合、霊的なものが近くに来ると必ず 吐き気がきます。 私は自殺した彼氏が来たと確信したのですが、彼女は寝てるし、念仏を唱えて 暫く様子をみました… そして2時間くらい経ったでしょうか… 『コン… コン…』 寝室の扉を叩く音が… 私は、『ヤバいな…』 『いなくならないのかな…』 そして5分後… また 『コン… コン…』 私は『なんなんだよ…』 と思った瞬間…
/144ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24069人が本棚に入れています
本棚に追加