霊安室の声

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自宅に着くと旦那さんが、うちのカミさんは、入院中ずっと、『家に帰りたい……家に帰りたい……』と 言っていたから喜んでいるだろな……と話しはじめました。 病名は子宮ガンの末期で、一年近く入院していたそうです… そこで あの笑い声は、おばさんが、家に帰れる喜びの笑い声だと確信しました…… 気味が悪い…なんて思っておばさんに失礼な事しました…… しかし今の時代、自宅で最期の瞬間を迎える人は何人くらいいるのでしょう… 完治しない病気に対しての、無駄な延命処置など…… 最期は病院とゆう人がほとんどだと思います… 昔の人、高齢の人ほど、畳の上で人間らしく最期を迎えたいと思っているのではないでしょうか…… おばさんは生きているうちに、自宅に帰りたかったに違いありません… このときは、おばさんに、何かを教えてもらったような、不思議な出来事でした……
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