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おばあさん
葬儀屋の近くの病院は、やはり呼び出される回数が多くなります…
そうすると自然と看護師、警備員とも仲良くなったりします…
そこの病院は地下一階に、霊安室、解剖室、標本室、備品の倉庫…
それしかありません…
しかし深夜病院に遺体を引き取りに行くと、地下一階に、おばあさんがいました…
私は入院している おばあさんが迷って地下一階に来てしまったのかと思い、『おばあさん、ここの階には何もないよ』と言うと…
おばあさんは信じられない早さで逃げていきました…
私は気味の悪いおばあさんだと思い、警備員に報告しました…
すると警備員は…
『そのおばあさんは何をしても捕まえられないんだよ…』
『何回もトイレやエレベーターに追い込んだけど、行くといないんだよ…』
『追いかけても絶対に追いつかないし…』
おばあさんは何をするわけでもないのですが、声をかけると、物凄いスピードで逃げるそうです…
私のときと同じです…
もしかしたら、おばあさんは病院の座敷童子みたいな存在なのかもしれません…
夜中に病院の見廻りをしていたのかもしれません…
たぶん今もおばあさんは、夜中にその病院の地下一階を歩いているのでしょう…
この先も ずっと……
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