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その晩、ケンは数回心臓が止まり、医師も付きっきりで治療にあたったそうです…
ケンは、この時臨死体験をしました…
なんとか一命はとりとめたのですが、1週間意識は回復しなかったそうです…
そして半年以上入院して無事に退院…
事故の後遺症でしょうか…
視力はあるのですが目の動きが左右で違うときがありました…
しかし事故の影響は目の動きだけではなかったのです…
その後、友人が入院している病院にケンとタツヤがお見舞いに行ったとき…
帰り際にケンが涙目で、その友人と握手したので、タツヤは不思議に思ったそうなのですが…
その友人は数日後に帰らぬ人となりました…
もしかしたら…
ケンはその人の寿命みたいなものが見えるのかもしれません…
臨死体験後に、何かの能力に目覚めるなんて事をよく聞きます…
タツヤはケンに臨死体験のときの事を聞いたことがあるそうなのですが…
ケンは…
『三途の川は無かったし、臨死体験前も臨死体験後も何も変わらないよ』
ケンはいつも、こう答えるそうです…
本当にそうなのでしょうか…
友人関係が壊れるのが怖くて、そう言ってるのかもしれません…
老人がボケるのは自分の寿命が近づくと、その恐怖心をなくす為に起きる人間の防衛本能だそうです…
あなたは、自分の寿命を知りたいですか…
あなたは、自分の大切な人の寿命を知りたいですか…
世の中には知らなくていい事、知ってはいけない事は、数多く存在すると思います…
人の寿命は、その中の一つだと私は思います…
ケンは誰にも言えずに辛い日々を過ごしているのかもしれません…
自分の寿命がくる日まで…
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