メッセージ

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メッセージ

死を覚悟したとき、または死を受け入れたときに書くものが遺書です… 遺書には、身内や友人に宛てた様々なメッセージが込められているものです… 感謝の言葉や謝罪の言葉ならいいのですが… 中には怨みの言葉や呪いの言葉が書かれている場合もあります… 私が担当した葬儀のときの話です… 亡くなったのは、中学生の少女… 死因は飛び降り自殺… 家族に宛てた遺書は… 『ごめんなさい』 『ありがとう』 これだけでした… しかし葬儀が終わり、数日経つとポストに手紙が… 中身を確認すると、亡くなった娘が友達に宛てた手紙3通と、その手紙を受け取った友達3人からの謝罪の手紙3通があったそうです… 家族は、このとき初めて娘がイジメによって自殺した事を知りました… 娘の手紙にも、友達の手紙にも名前などは記されていなかったので、誰が関わっていたのか分からなかったそうなのですが、その手紙には… ○○ちゃんの告別式の日に○○ちゃんからの手紙が届き、その日から不思議な事が起きるようになりました。 ごめんなさい… 届いた手紙はお返しします… 亡くなった娘から届いた手紙には、仲間はずれ、無視といった内容のものが書かれ、最後に怨みや呪いの言葉が書かれていたそうです… 手紙を受け取った娘達は、さぞかし怖い思いや反省をしたことでしょう… 私が聞いた話はここまでで、書かれていたものの詳細や、その友達に何が起きたか、学校や警察に知らせたかなどは分かりませんが、おそらく大騒ぎになったことでしょう… 『人を呪わば穴二つ』という ことわざ通り、この先ずっと亡くなった娘も成仏できないでしょうし、イジメた娘も苦しむことでしょう… 葬儀屋をしていると、全ての人が寿命で死を迎えてほしいと、真剣に考えるものです… あなたは死を迎えるときに呪いの言葉を残しますか…
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