ウ し ロ。

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外灯の下に、彼女はいる。 私は逃げている。外灯の下に待っている彼女から逃げている。 なんで逃げてるかって?…私にもよくわからないけど、逃げなきゃいけない気がして… 私は今、専門の学校に通っている。名前はショウコ。 最近の楽しみは飲み会。今夜も同級生のメグミに誘われて飲み会に来ている。 彼氏が居ない子達ばかりで飲んでいて、いつも時間を忘れてしまう。 随分楽しんで私は時間を見た。 もうすぐ1時を回るころ、 「ショウ、帰るねー」 メグミ達がまだ残るみたいなので私は帰る事にした。 静かな道路は不気味な雰囲気がした。 だけど、この道ってこんなに車通り少なかったかな? 私がトボトボ歩いていると外灯の下に女性が立っているのが見えた。 やだなぁ…不気味… 私はあまり気にしないようにしてそこを通り過ぎた。 「次の外灯のうしろ。まだその先まで続く」 横切る瞬間、女性が呟いた。 私が振り返ると外灯の下にはもう女性はいなかった。 立ち去る時間なんかなかったはずなのに…! 次の外灯はすぐ目の前…!見ると先程まで隣に居たはずの女性が目の前の外灯の下にいた。 私は本能でヤバイと思った。 「引き返そう!」 私は後ろを向いた。 しかし、目の前にいたはずの女性が後ろの外灯にいたのだ。 「次の外灯のうしろ。まだその先まで続く」 女性はその言葉を呟きながら外灯を離れ、私を追ってくるのだ。 私は女性の顔を見て声にならない悲鳴を上げた。 女性は顔をすっぽりと髪で隠し、時折覗かせる目は黒目がなかった。 私はもう一度向き直し、走り出した。 やはり目の前の外灯には女性がいる。しかし背中を向けたままで動く気配はない。 私は急いで外灯の、女性の横を走り抜けた。 「次の外灯のうしろ。あと少し先まで続く」
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