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「あっ、あの!」
エキサイティングしている俺に対して義妹らしい未由が必死なようすで声をかけてきた。
気のせいか……目の縁には涙が滲んでいる気がする。
「挨拶が遅れてごめんなさい!私は未由(みゆ)です!おじさんとおばさんに一緒に住まないか?って、言われてきたんです……私……えぐぅ……」
あ~ついに泣き始めた!あかん!
このパターンには見覚えがある……
「……私、えぐぅ……親戚から追い出されて帰る場所……うぐぅ、無いんです……だから……」
「お~い、……べろ!」
「うぅ……何ですか?」
うぅ……そんなチワワみたいに震えた瞳で見てこないでくれ!
……しかも、よく見れば森羅並に可愛いし……ヤバい、顔が赤くなっちまう。
「だから……一緒に学校行くんだろ?なら、早く食べろ!……よろしくな妹の未由」
「あぅ……お兄ちゃ~~~~ん!」
「だぁー!抱きつくなぁ!つ~か、もう泣くなよ」
未由は俺の胸に抱きつきながら首を縦に振った。
「頑張って泣きやみますから……うぐぅ……しばらく……こうさてください」
「ったく、仕方ねぇな。少しだぞ……つ~か、お前らはなんて顔してやがる」
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