追憶

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「君、いつものところに行ってくれ」 車はフラワーショップの前に停まった 「薔薇を全部くれ」 店員は店中の薔薇を手際よくラッピングして、車に積み込む そして一馬はりおの事故現場に向かう 「姫、これだけしか今日は薔薇がありませんでした」 これだけと言うには程遠い数の薔薇が道路を埋めつくす 「姫、これでさみしくないですか?」 「俺は…さみしいよ…」 一馬は涙を流していた 「じゃ、また来ますね」 涙を拭い、車に乗り込む 運転手はわかっているかのように、海岸に車を走らせた
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