涙-隣に居てくれる人-

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落ち着く場所って言うのは 多分「君の隣」だった 私の落ち着く場所 それは君の香水が 頭の中で落ち着く香り とインプットされてるからだろう 落ち着く口振りも 「君の隣」で聞こえる 「君の声」だった 不思議なもんで 街中やスーパーで 君が居る筈も無いのに 「君の声」に似ている 声がすると つい後ろを振り返ってしまう とても不思議なもんで 君が付けてる香水と 同じ香りがすると 君を思い出してしまう 不思議なもんだ 人間と言うのは 嗅覚を司る部分が 記憶や感情を司る場所と 直接繋がってるらしい だから匂いが一番 記憶を鮮明に呼び覚ますんだって 私が香水で君を思い出すのは そのせいだ 今でも君の使う香水で 君を思い出す事はある そのたび心苦しく 切なく感じる だけど日に日にその回数は 減ってきてはいる 頭の中にインプットされた 香りが声が変わったから 何年かかるんだろう 君を完全に忘れるのは そう心配するなかで 忘れたく無くて 君の使う香水を 部屋に置いている自分が居る そんな私はきっと悪い女
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