兎の穴

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私は猫の後を歩いた。 猫は遅くも早くもなくしっかりと前だけを見据えて歩いている。 私は別に猫が言葉を話すことを気にしなかった。 そんなことを考えたら今いる世界の根底から疑問に思わなければならない。 そして―――――― 「郷に入りては郷に従え。」 不意に猫がポツリと呟く。 やはり彼は私の心が読めるのだろうか? しかしその問いには答えない。 まぁ全くもってその通りだ。今の状況を打破したいとは思わない。 こんな闇の世界では私一人が何かしても何も変わらないだろうから。 私は流れに従うだけ。 すると目の前に光の地点が現れた。
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