Prologue

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いつからか空の模様は画一化してしまった。 思えば遠くない昔には彼は表情豊かに接してくれていたのに 今の私の瞳には灰色に深く沈んだ顔しか見えない。 私はこれまでなんの変哲もない毎日を過ごしてきた。 平穏な日々。家族円満。 学校も全く苦ではない。 だけどそれらは全て平均的で何一つとして善くも悪くも突出しない。 つまり私はどこまでいってもまっ平ら。 特別なものなど何一つ得れやしない。 裏を返せど何もない。 私はいつも特別な何かを願い続けた。 だけども運命は皮肉なもので私の平らは突出せずに 穴が開いた。
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