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  もちろん、その日のことは誰にも話さなかった。 ただただ怖かった。幽霊が怖いと言うよりも、自分自身でも気付いていない内面を見たことが怖かった。   廊下を歩いていて、風が吹く。自分以外の足音が聞こえる。誰もいないトイレの水が流れる。 もう、それだけで平生を保てなかった。  
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