竜一の迷い

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「あ…あ…」 抱きしめて、 「痛くない?」 「ちょっと…でも大丈夫」 「うん」 「…あいしてる」 「うん」 「はなさないで…」 力いっぱい抱きしめられる。 僕は美津子に溺れていた。 素子さんも加奈子さんも考えられなくなっていた。 激しく彼女を抱いた。 何度もキスをした。 何度も抱きしめていた。 彼女も抑えきれず声を出していた。 ゴムも付けずに激しく求め合った。 お腹の上に出した。 ただ抱き合った…     朝起きて、遅く帰った美津子は怒られてないか心配になった。 僕は美津子の余韻に酔いしれていた。 大学は今日は昼からでいい、午前中に美津子を思い出して一人でした。 バカになっていた。 昼に大学に着いた。 耕次と昼食をとり、一時間だけの授業を受けた。 加奈子さんがいたのに、真っ直ぐ下宿に帰った。 しばらくして美津子が来た。 すぐに抱き合った。 「大丈夫かなぁ」 「どうかした?」 「ゴムつけなくて…」 「竜一さん、優しいね」 求め合った。 時間も気にせず、ただ抱き合った。 美津子は帰りたくないと言う。 僕も帰したくない。 一人になりたくない。 でも、家族に心配かけてはいけない。 一人下宿に取り残された気分になっていた。 とても寂しい気分になっていた。 こんな気持ちは初めてだった。   翌日はバイトで美津子には会えなかった。
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