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睦月は諦めた。
もう、これ以上聞き出すのは無理だろう。
何かの出来事が、3ヶ月前のあの出来事を作り出した。
その、「何かの出来事」は佐原梨子にとっては忘れたい出来事なのだろう。
睦月は、今後一切、あの出来事について彼女に聞くのはやめようと決意した。
電車のドアが、空気が抜けたような音を出しながら開いた。
「終点~『池袋』~『池袋』…。」
いつの間にか、池袋に着いていた。
睦月達の周りにいた乗客が、ぞろぞろと降りていく。
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