微かな空耳はラブソング…?

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しばらくして、さっきの店員が、二人の所に戻ってきた。 「申し訳ありません。今、在庫を確認したのですが、この店に置いてあるのはその一枚だけなんです。」 その言葉を聞いて、睦月と佐原サンがお互いの顔を見た。 「…どうする?佐原サン?」 「…戸口クンが買って。」 「いや、佐原サンが買いなよ。俺は、後で借りれれば十分だから。」 「えっ!?でも…。」 「…約束の時間に遅れたし、こないだ授業邪魔しちゃったから…。だから、そのお詫び。」 「…じゃあ、そういう事なら…。」 そう言うと、佐原サンは申し訳なさそうな表情を浮かべながら、店員にCDを渡した。 (佐原サン、妥協するの早いね…。)
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