微かな空耳はラブソング…?

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帰り道。 佐原サンの後方に睦月がいる状態のまま、二人は自転車を走らせていた。 会話は…無い。 やがて、関所橋にの手前まで来ると、佐原サンがブレーキを掛けて止まった。 「あっ、じゃあね佐原サン。」 睦月は後ろから佐原サンを追い越して、そのまま帰ろうとした。が。 「待って!」 佐原サンが呼び止めた。 その言葉に即座に反応して、自転車を佐原サンへと方向転換する睦月。 「えっ、何?」 「あの…今日はありがとう…。色んな場所に連れってくれたり、CDの事とかも…ホント…ありがとう。楽しかった…。」 頬を赤らめる佐原サン。 「あっ…うん。俺も楽しかった。ありがと…。」 少し照れながら言う睦月。 「CD…今度渡すね。じゃあ…さよなら。」 「あっ、バイバイ…。」 佐原サンは関所橋の手前にある横道へと進行方向を変え、自転車を走らせながら帰っていった。
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