ツツジ咲き、恋も咲く

8/8
前へ
/66ページ
次へ
ナカバと同じチーム… おち(5番目)で引いている男性に萌は目をやった。 「銀髪……?」 (きれい……) 5番立ちのその男性は、銀髪でスラリとした体型、 それよりなにより… (すごく綺麗な引き方だ) 弓道初心者の萌にもわかった。 引いた姿にウットリと目をやった。 調度、萌からみて背を向けた形で引いている為、顔はよく見えない。 しかし、萌はその背中を見つめていた。 カチカチカチカチ… 弦(つる)とかけ(※)が擦れ合う音が道場に鳴り響いていた。 シュ!!! [タァ……ァン!!!] 的のほぼ中央に当たった。 その瞬間チームメイトらが 「せい!!! 」 と、叫んでいた。 (やばい、私 私、銀髪の彼にドキドキしてる) これが、萌の恋花の始まり。 ※かけ…弦を引く際に用いる。これに弦を掛け弓を引く。右手にはめる。image=181920734.jpg
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加