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ナカバと同じチーム…
おち(5番目)で引いている男性に萌は目をやった。
「銀髪……?」
(きれい……)
5番立ちのその男性は、銀髪でスラリとした体型、
それよりなにより…
(すごく綺麗な引き方だ)
弓道初心者の萌にもわかった。
引いた姿にウットリと目をやった。
調度、萌からみて背を向けた形で引いている為、顔はよく見えない。
しかし、萌はその背中を見つめていた。
カチカチカチカチ…
弦(つる)とかけ(※)が擦れ合う音が道場に鳴り響いていた。
シュ!!!
[タァ……ァン!!!]
的のほぼ中央に当たった。
その瞬間チームメイトらが
「せい!!! 」
と、叫んでいた。
(やばい、私
私、銀髪の彼にドキドキしてる)
これが、萌の恋花の始まり。
※かけ…弦を引く際に用いる。これに弦を掛け弓を引く。右手にはめる。
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