🍸ブルーグラスの破片💥

『幸せな時』

「ずっと、こうしていたいな」
　私が呟く。
「そうだね、ポン」
　いつものように彼はうなずいて、減った私のグラスにビールを注ぎいれた。
「ありがとう」
　私も彼のグラスに入れようとすると、「いいよ」という仕草をして手酌する。ウイは、大きなテーブルをはさんで向かいにいた。たくさんの料理を前に、ゆったりしているのは嬉しかったけれど、彼の隣が恋しい。今は私だけのウイだから、その間はずっと触れていたいという気持ちがあった。
「ウイ、どうしたら私もっと好きになってもらえるかな？　ウイに釣り合う女性になりたいの。ウイはどんな女性が好き？」
　彼は白身魚の刺身を食べていて、少しの間それを眺めていた。
　食べ終わるとういは話し始めた。
「ポンはね、黒目がちの瞳がとてもチャーミングだと思うんだ。だから、目が隠れないくらいの前髪にして、そうだね、黒髪のショートなんて似合うんじゃないかな？　アイシャドーもいつもの濃い目の色とても似合っているよ。可愛い」
「あ、ありがとう」
　ルックスについてほめられたのは、初めてだった。ちょうど、美容院に行こうと考えていたから、帰ったらショートカットにしてみようと思った。