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「きれい。それにすごく可愛らしいお店ですね」 車を降りたわたしは、その外観を目にするなり、少し大袈裟ぎみに歓喜のリアクションを取ってみせる。 駐車場側に突出たテラスはオレンジ色の豆電球に縁取られ、掲げられたネオン管に赤く点灯する「ウェルカム」の文字。 まわりには天使の人形やスノーマンなど数々のオーナメントが飾られている。 冬になれば雪に映え、より華やかさを増すのだろう。 「喜んでもらえて嬉しいよ。味も引けを取らないから楽しみしてて」 きらきら輝く光のアーチを潜るように入口へと向かう澁澤の後を追う。 中に入ったわたしたちは従業員にアテンドされ、丸いテーブルを挟んだ向かい合わせに腰掛けた。 店内はきらびやかな外観とは異なり、ベージュ色を基調にしたシックな空間に天然木のテーブルが程よい間隔で配置されていて、落ち着いた雰囲気だ。 なのに、何故だろう。 わたしは安らぐどころか、そわそわ落ち着きなく、出窓に並べられたワインボトルやステンドグラスの装飾品に視線を泳がせている。
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