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翌日、早番で十一時にバイトを終えたわたしは、まっすぐ家に帰る気分にはなれなかった。
お酒を飲みながら誰かに軽く愚痴らなくちゃスッキリしない。
わたしは週一の公休で休みの僚太に電話を掛けてみる。
店から徒歩五分の距離に住む僚太は、この時間に呼び出すにはもってこいの相手だ。
「おぅ。倉持、お前が電話をよこすなんて珍しいね。バイトあがったの?」
「うん、今あがった。斉木は何してたの?」
「別に‥予定もないし家でゲームやってたよ」
「ふぅん。だったら飲みに行かない?出るの億劫ならいいけど」
僚太は支度するのに二十分くれと言い、わたしは店から出ずに更衣室で時間を潰す。
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