嵐の幕開け

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外に出ると、空は茜色に染まりかけていた 三月「夕方…」 ボソッと呟き、宛もなくトコトコ歩き、たどり着いた先は河原だった… チョコンと寂しげに座れば、川に目を移し、ボーっとしながら川を見ていると、唐突に立ち上がり、無表情でボーっとしながら川に向かい歩いて行く ?「あの子…」 通りがかり、川に目をやれば三月の姿が見え、様子がおかしいと思い、河原をゆっくり降りると、三月は足を止めず、川へと進みバシャバシャ音を立てながら、川の奥えと進む三月の姿に目を見開き危機を感じれば、ゆっくり進める足を早め、急ぎ足で三月の元へ行くと ?「何してるの!!」 三月の腕を掴み、怒鳴りながらグイッと自分の方に引っ張り 三月「…よ…離してよッ!」 引っ張る腕を取られまいと、振り解こうと、力を入れ叫ぶように大声で言うと- ?「馬鹿な事を言うんじゃないよ!!離したら溺れ死んじゃうでしょうが!!」 掴む腕とは逆の手で三月の頬を叩き、真剣な表情と強い口調で言えば、ヒョイと三月を抱き上げては肩へと持ち 三月「離してよッ!もぉヤダッ死んじゃった方が良いんだッ!そしたら先生だってッ…」 ジタバタと暴れながら泣き叫ぶ様に言うが、相手は離す気配なく陸地に上がれば三月を降ろし、上着を脱ぐと濡れた三月肩に上着をかけ ?「ちゃんと相手と話し合ったの?!勝手な判断で死なれたら相手の方が嫌な思いするよ」 しゃがみ込み、三月の目線に合わせれば、三月の肩に両手を当て、説得するように優しく諭し言うと、三月はポロポロと涙を流し 三月「…ッく…」 歯を食いしばり声を殺し泣き出すと、見かねた相手は三月を抱き締め、優しく頭を撫でれば、三月は相手の背中に腕を回してはしがみつき、殺していた声を出し泣き叫び続けた… 数十分泣き続けたせいか、泣き疲れ力なく相手に寄りかかっていると-
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