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言われ照れながら俯く三月の頭を撫でては、軽く咳払いし
頼都「そろそろ、今日は帰るよ」
二人の顔をそれぞれ見ては…
そう切り出し三月から手を離せば、照れくさそうにしていた三月は顔を上げ頷いた。
笑っていた表情から真剣な表情に切り替えては、春彦は立ち上がり香奈子を見た次に三月を見て微笑み頼都に視線を移すと
春彦「ありがとう」
一言だけ言うと、深々と頭を下げたがものの数秒で溜め息にも似た声が聞こえ
頼都「何を…礼を言うべきなのは、私の方だ…ありがとう」
頭を上げては頼都を見ると、頼都は春彦に頭を下げていてその姿に唖然と立ち尽くし数秒沈黙になった。
頼都は頭を上げ春彦とお互いに苦笑いを浮かべては、香奈子を見て頷き春彦と一緒に三月を見て
春彦・香奈子「「三月くん、お幸せに」」
本当に幸せを願い願いながら言われているのだと気付き、慌てて照れくさそうに俯いたかと思えば顔を上げ、笑顔で頷いた。
屋敷の部屋から二人を見送った香奈子と春彦は、お互いに苦笑いしては
香奈子「お父さんとお母さん、説得しなきゃね」
春彦「あぁ…」
ため息と共に、困った表情で言う香奈子の手を握り向かい合うように立つと
春彦「大丈夫。きっと、絶対に説得してみせるよ。君のためにも…」
微笑みかけながら、柔らかく言うと香奈子は泣きそうな表情で何回も頷いては、握っていた手が香奈子の頭に移った瞬間に春彦に抱きついた……
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