春の訪れと共に

2/4
前へ
/34ページ
次へ
とりあえず、芦屋宅に戻った二人。 三月を診察するから、先に診察室にと言い身支度しに部屋に入るのを見届け、三月は診察室へと入った 三月「…なんか…落ち着かないかも…」 どこか落ち着けず、パタパタと足音を立てながら診察室の中をグルグル回ってみたり、隅っこを行ったり着たりを繰り返していると… ガチャっとドアが開き、そこには苦笑いしながらドアノブを掴む頼都の姿があった 頼都「…何してるんですか…」 短くため息をつき言えばドアを閉め 三月「…ははは…はぁ…」 三月は苦笑いしつつため息を漏らし、そんな三月の頭に軽く手を置くといつもの椅子に腰掛け 頼都「三月、こっちおいで」 頼都の向かいにある椅子を、少し自分に近づけ言うと大人しく従い座り 三月「えっと…せ、センセ、俺、大丈夫だよ???」 大人しく座ってみたものの、どこか照れくさくなり俯き頬辺りをポリポリかきながら言うがー 頼都「真っ赤な顔して、何が大丈夫なんですか?」 反応の可愛さからかクスッと笑い、頬をかく手を掴むと少し顔を上げた三月の顔を、覗き込む様にして問いかければ三月の顔は赤みを増した 三月「ッ!!!!!…あ、いや、そ、そのッ/////」 目が合えば、スッと身を引き 答えようとするも、目を泳がせつつしどろもどろに言うと 頼都「…今回は本当にすみません」 三月の頭を撫でると、考え込むように視線を落としては目線を三月に戻し 腕を離せば、真剣な面持ちで謝罪すると 三月は少し俯いては、再び視線を頼都に戻し笑みを浮かべ 三月「センセ、俺は気にしてないよ?だって、俺―」 少し照れながらも、言いかければ 黙って聞いていた頼都が半ば無表情に抱きしめた
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

110人が本棚に入れています
本棚に追加