序章

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それはよく晴れた日だった。 男は、目の前の現実を受け止める事ができなかった。 …君は…君だけは… 男はただただそれを抱き締め、泣いた。 愛しくてたまらない。 この愛しさを分かってもらうにはきっと、泣く事しか、ないのだから… この悲しみを隠すには、たくさんの時間が必要…いや、時間があっても癒えないかもしれない。 愛しているから… でも、男は行かなければいけない。 それを抱き締める事はもうできないだろう 男は世界の運命を背負っているから… 男は最後にもう一度強く抱き締め、その名を呟いた 「アリス…」
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