異次元牢の魔女

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 音も無く、黒猫が人の姿に変わった。  だが、別段それで何をするでもない。  猫はまた、同じ様に音もなく黒猫の姿に戻ると、何があるわけでも無い闇に向かい、鋭い視線を投げかけては総毛だってみる。  やがて大人しくなり、退屈そうにあくびをする。  そしてまた人の姿になってみる。  「やめんか。鬱陶しい」 「痛でっ」 ジャランと鎖の動く音がして、その一部が猫の頭をはたいた。 「ナニするのさご主人~」 人の姿のまま、猫は自分の後ろに居る人物を涙目で見やる。    そこには黒服の女が座っていた。  背中に翼の生えたその女の両の手首には鎖がかけられ、長く伸びたそれは闇の奥まで続き、彼女の体を拘束していた。
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