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チッ チッ チカッ!
街灯がつく
辺りはすでに暗くなっていた
そんな中男の子は家までの道を独りで歩いていた。
テクテクテクッ テクテクテクッ…
「未來……。」
「明日公園本当に来るかなぁ~??」
「楽しみだなぁ~」
男の子が路地を曲がり突き当たった家の中に入っていった。
ガチャッ!
「ただいまぁ~」
キッチンの方からおばぁちゃんの声が
【おかえりなさい。】
【過斗(かいと)…過斗に逢わせた…】
{君が過斗…くん…だね}
水知らずのスーツ姿の男が過斗に話かけてきた。
「…。伯父さん誰??」
【過斗…】
心配そうに見つめるおばぁちゃん
{伯父さんかぁ…。}
{過斗君 伯父さんと一緒に過斗君の新しいお家に行こうかぁ}
「…新しい?」
{そっ!新しい!}
「おばぁちゃんも一緒に新しいお家?」
【…。】
男は少し焦りながら
{そっ!そうだよ~!おばぁちゃんも一緒だよ。}
「嫌だ!!行かないッ!!!」
{!!!!!!!!}
【と言っておりますので…このお話は…】
{お母さん…そうは行きませんよ。責任ですから。}
「…????」
過斗はなにやら不思議そうにしておばぁちゃんの顔を見上げる
【!!!!】
【翔(かける)さん…!過斗の前で…。】
{…!!!}
{あぁそうでしたそうでした。スミマセン…}
【翔さん? 少し過斗とお話させて頂いても良いかしらねぇ??】
{えぇっ。どうぞ}
過斗がおばぁちゃんを見つめていたらおばぁちゃんは困った顔していた。
【過斗…いい?良く聞くんだよ。】
【本当はおばぁちゃんは一緒に行けないのよ。過斗独りで伯父さんのお家に行くの…過斗が伯父さんの所行ってくれないとおばぁちゃん困っちゃうのよ…。】
「…おっ…おばぁちゃん。」
過斗は目からこぼれ落ちそうな涙を堪えて男の元へ…。
過斗は少し下を向きながら男と手をつなぎ歩いて車に乗った。
【……過斗。】
おばぁちゃんの姿が見えなくなるまで
過斗はおばぁちゃんに手をおもいっきり振っていた。
そしておばぁちゃんも過斗を乗せた車が見えなくなるまで見送っていた。
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