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だから彼の顔も声も
今となっては
朧気にしか思い出せない…
唯一、覚えているのは
彼の唇や細くて長い指。
かすかに下唇がふっくらしていて
彼の唇に口づけすると
とっても柔らかく包み込まれる気分で
彼とのキスは忘れられないほど…
そして細くて長い指が
ひとたび、あたしに触れると
それだけで、あたしの心は震えた…
そんな魔法の手を
あたしは自ら離してしまったんだ。
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