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―保健室―
「先生!おだん…じゃなくて、月野さんが熱で倒れて…」
「じゃあ、ベッドに寝かせて。熱計るから。」
そっと、ベッドに下ろし、心配そうに見つめる。
先生が熱を測る。
「あら、39、5℃もあるじゃない!よく学校来たわね~ちょっと、ご家族に連絡してくるから、星野くん見ててくれる?」
「あ、はい。」
バタン…。
横たわるうさぎの横に座り、熱で汗ばむ前髪をかきあげる。
「ごめんな…もっと早く気付いてやれなくて…朝来た時、元気がない事に気がついてたのに。」
気がついてあげられなかった自分に悔いていると、先生が入ってきた。
「ご家族留守みたいなのよ。困ったわね~。」
「先生、俺が連れて帰るよ。」
「でも…」
「頼むよ…先生。」
「…わかったわ。じゃあ、頼んだわね。」
あまりにも真剣な顔にOKせざるをえなかった。
「おだんご、帰るぞ。」
「…う…ん。」
身体を支えてゆっくりと起こしてやる。またお姫様抱っこをしようとしたら、意識が朦朧とするなか嫌がる。
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