甲野善紀

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内気のまま成長し、とても人相手の仕事は出来ないと大学の農学部畜産科に入るもっと牧歌的なものかと思っていた甲野青年は、効率優先な現実に愕然とし決定的な出来事にあう ある実習で行った農家では、ヒヨコの雄雌の選別を行っていて卵を産まない雄の雛はポリバケツに捨てられ、いっぱいになると足でギューギューと踏まれ、その時の雛の鳴き声は今でも耳の奥に残っているそうだ と同時に、その農家で食べた、おかずもない食事で体調の良くなるのを実感、自然食に目覚める それ以後、自分の中に眠っていたものが目覚める 東京へ戻ると、授業にろくに出ず図書館で、自然食、健康、宗教などを読みあさり そういった集まりなどに顔を出し 試験の時は、問題も解かず裏にびっしりと、農業、医療などの問題点を書き連ね一番に席を立つ、そんな過激な青年に変わっていったそうだ そんな時、一つの問題が頭を離れなくなった それは 「人の運命は決まっているのか、いないのか?」だった
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