二ノ章[雨と黒と赤と…]

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 ぴちゃ…ぴちゃ…  水の音をたてて、フードの男が歩いてくる。  俺の顔は緊張の色を隠せないでいた。  雨だか汗だかわからないほどの、水が顔から流れ出ていた。  そして、男は俺の目の前に立った。  近くで見ても大きい男。  身長は優に2メーターは超えている。  ……俺は息を呑んだ。   「………」  雷が光るが、男の顔はちらりとも見えない。  しばらく、無言のまま俺を見下ろしていた男が突然、上着の中から、横に長く、布で巻かれたものを差し出してきた。  俺は受け取るつもりは毛頭なかった。  だが、受け取らなきゃいけない。  そんな気がしてしまった。   「…しばらく…預けた……」  …そう言って男は俺の目の前から消えてしまった。  雷が光るよりも早く、あっという間に消えてしまった。                     「……ふぅ… 死なずにすんだか…」  自分でも驚くくらい息を荒くし、水溜まりの上にしりもちを付いてしまった。   (後光の見えない人神か…)  深く呼吸をすると、俺はじっくりと渡された布を眺めた。 (爆弾…なわけないか… ……神、直々に渡すものか… しかも、神狩りに…)  …その場で布の一部を引きちぎってみることにした。    ビリ!ビリ、ビリ!ビリ!    一気に引きちぎるとそこには…                      アコのような、寝顔をして寝ている子供…  赤子がくるまっていた。
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