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アコの家はパブからバイクで数十分した場所にある。
俺の家もその近くにあった。
「着いたぞ」
俺はアコのマンションの入り口にバイクを止めて、アコをおろした。
「ふぁい…」
アコは今にも寝てしまいそうな声を出した。
ここまでアコが泥酔したのは俺の所為でもある。
話を聞いたところ、アコは今日の狩りに力を入れていたらしく、銃器や火薬を大量に持ち込んでいた。
だが、結局俺一人で倒してしまったものだから、ふてくされて飲んだ…と未央から話していた。
「えっと…何号室だ?」
アコの家に行くのは初めてだった。
だが、期待はしていない。
ずぼらな性格のアコのことだ。
部屋も散らかっているのだろう。
「にぃみゃるいちごおうしゅつ…」
アコは俺の肩にもたれて、眠たそうに答えた。
急いだ方が良さそうだ。
(途中でアコが寝てしまうかもしれない…)
俺はエレベーターに走り込んだ。
「アコ、鍵は?」
なんとかアコが眠る前に部屋にたどり着いた。
「きゃばんにゃかぁ~…」
アコは肩にかけてある鞄をどさっと落とした。
鞄を開けると中には大量の弾丸と火薬、ハンドガンやジャックナイフが鞄の隅々までぎっちりと詰まっていた。
「……この中…か?」
これには俺も少し驚いた。
神虫一匹の為にここまで…
アコは虫が嫌いだったのか?
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