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「…あった」
へんてこな犬のキーホルダーがついた鍵を鞄の奥底から探り当てた。
「やれやれ…」
俺は鍵を開け部屋の中に入った。
部屋は以外にもきれいに片付いてる。
性格とは裏腹に綺麗好きだったようだ。
「おぉい、起きろ」
俺はアコをベッドに寝かせ、肩を揺すった。
「……スゥ…スゥ……」
熟睡している。
まったく起きる気配が見られい。
「しかたない…」
俺は置き手紙を書いて机に置いておいた。
そして、部屋から出ると、鍵を閉めておいた。
「さて…
この鍵どうするかな?」
俺はそこまで深く考えていなかった。
「とりあえず…」
鍵をポストの中にゆっくりと入れておいた。
「気づけばいいけどなぁ」
俺はそう願いつつ、バイクのある一階にまでエレベーターで降りた。
「もう一時か…
これ以上は外にいない方がいい」
…十二時を過ぎると人神が現れてしまう。
姿が人に近いから[人神]と呼ばれている。
強い神狩り達はこの時間に人神を狩っていて、よく町外れの廃工場や空き地で戦っていた。
…だが、俺にはその姿が[格好いい]とはとても思えなかった。
むしろ、人と人とが醜い殺し合いをしている姿にしか見えなかった。
ブロロロロ…
キーを回して、エンジンをかけた。
「ほんとに今日は快調だな。
怖いくらいだ」
俺はアクセルを回し、バイクを走らせた。
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