一ノ章[神を狩る者]

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「…あった」  へんてこな犬のキーホルダーがついた鍵を鞄の奥底から探り当てた。 「やれやれ…」  俺は鍵を開け部屋の中に入った。  部屋は以外にもきれいに片付いてる。  性格とは裏腹に綺麗好きだったようだ。 「おぉい、起きろ」  俺はアコをベッドに寝かせ、肩を揺すった。 「……スゥ…スゥ……」  熟睡している。  まったく起きる気配が見られい。 「しかたない…」  俺は置き手紙を書いて机に置いておいた。  そして、部屋から出ると、鍵を閉めておいた。 「さて… この鍵どうするかな?」  俺はそこまで深く考えていなかった。 「とりあえず…」  鍵をポストの中にゆっくりと入れておいた。   「気づけばいいけどなぁ」  俺はそう願いつつ、バイクのある一階にまでエレベーターで降りた。   「もう一時か… これ以上は外にいない方がいい」  …十二時を過ぎると人神が現れてしまう。  姿が人に近いから[人神]と呼ばれている。  強い神狩り達はこの時間に人神を狩っていて、よく町外れの廃工場や空き地で戦っていた。  …だが、俺にはその姿が[格好いい]とはとても思えなかった。  むしろ、人と人とが醜い殺し合いをしている姿にしか見えなかった。    ブロロロロ…  キーを回して、エンジンをかけた。 「ほんとに今日は快調だな。 怖いくらいだ」  俺はアクセルを回し、バイクを走らせた。
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