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美咲はお風呂に入ると、武史の体を全身くまなく洗った。そして白いマットに寝かせて、暖かい人肌に温めたローションを垂らし自分の体を武史の上で滑らせた。
全てのプレイが終わって武史は部屋を出ようとした。すると美咲が
「また来てね♪」
と言いながら武史の頬にキスをして、そっと自分の名刺を武史の服の中に入れた。
外で安田が出て来るのを待っていると、15分延長したらしく20分ほどででてきた。
「武坊どうだった?美花可愛かったろ?」
ニヤニヤしながら尋ねてきた。
「はい。気持ち良かったっす!」
「そかそか。また連れてきてやるからな!」
そう言いながら安田は会計を済ませてくれた。
終電ギリギリで家に帰った。時間は深夜0時をまわっていた。もう流石に起きていたいだろうと思い、居間の襖を開けるとまだ彩香は目に涙をためながら起きていた。
「彩香まだ起きてたんか?」
そう言いながらふとテーブルの上のケーキに目がいった。はっと思いだしたがもう遅い。昨日は彩香の19回目の誕生日だったんだ。
「すまん…彩香…。仕事先の常連客と一緒に飲んでたんだ。彩香の誕生日すっかり忘れてたよ。ごめんな?」
武史はそう言って頭を下げた。
彩香は何も言わずに冷めたごちそうを温め始めた。そしてケーキのロウソクに火をつけて
「今からでもいいから私の誕生日祝って?」
そういいながらニコっと笑った。
すっかり食事を食べ終えて、武史は
「後片付け手伝うわ!」
といいながら洗い物をしている彩香に近付いた。武史からふと嗅ぎなれない石鹸の様な匂いがした。
「武ちゃんコロンつけてる?なんかいつもと違う匂いがするよ?」
武史はドキっとしたが
「あぁ酒飲み過ぎて電車も乗れなかったから、サウナ行ったんだよ。たぶんそこの石鹸の匂いだ。」
武史はとっさに嘘をついた。もしかしたらこの時正直に打ち明けて、謝ったらあんな事にならなかったのかもしれない。後で後悔したが、もう時間は戻ってこない。
その時彩香はすっかり信用した様で
「そっか!じゃあお風呂入らないんだね?」
とだけ聞いてきた。
武史は無造作に服を脱いで、七海の隣りで寝始めた。彩香は脱ぎ散らかされた服を洗濯器にいれるために持ち上げた。
すると一枚の名刺がパラっと落ちてきた。
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