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彩香が美花と同じバイトで働く様になって一か月…彩香は店長の澤井にどんどん惹かれていった。
大人で気配り上手で、年下のバイトの男の子にも「先輩!」と慕われる彼…。
夜八時。いつもは客がちらほらいる時間帯だが、その日はたまたま誰も来店がなかった。店内はもう一人のバイトの子に任せて、彩香は在庫の確認を裏にしにいった。
しばらくたった時、ふいに澤井が店に様子を見に来た。
「あれ?彩香ちゃんは?」
もう一人のバイトの林に声をかけた。
「奥で在庫チェックしてるっすよ。」
「そうか。今日は暇そうだな」
「いつもはこの時間混んでるんっすけどねぇ」
林とその後も話をしてて、少しして裏に回ってきた。
「彩香ちゃんお疲れ!」
澤井は彩香にニコっとほほ笑みかけた。
「澤井さん!お疲れ様です!」
彩香は少し緊張しながら挨拶した。彩香は赤くなりながらモジモジしてしまった。
「あの…澤井さん…あのぉ…」
「何?」
澤井は笑いながら聞き返した。
「あの…澤井さんって彼女居るんですか?」
小声で尋ねた。
「彼女かぁ~。今はいないよ!」
その返事を聞いて彩香は、思わず嬉しそうな顔をしてしまった。澤井はクスクス笑いながら
「彩香ちゃん。もう少しポーカーフェイスを覚えた方がいいよ!感情出過ぎ」
そういいながら彩香のおでこをツンッとこずいた。
彩香はますます顔が赤くなって、また下を向いてしまった。そんな彩香はとても可愛らしかった。澤井は彩香の耳元で
「バイト終ったら少し俺の家くるか?」
彩香はびっくりして顔をあげた。大好きな澤井に家に誘われている…でもいきなり家にいくのは怖いなぁ…。でもこんなチャンスもうないかもしれない…彩香は一分間でイロイロな事を考えて
「行きます!」
と答えていた。
彩香はバイトを終わらせて、澤井と待ち合わせしている近在のコインパーキングに向かった。澤井はすぐに彩香を見つけて
「彩香ちゃんお疲れ!」
と声をかけた。
「腹減らない?なんか軽く食べるか」
彩香はコクっとうなずいて澤井の車の助手席に乗り込んだ。
車内は甘いムスクの匂いがした。MDからは彩香も大好きなaikoの曲が流れていた。
「澤井さんaikoなんて聞くんだぁ」
彩香は運転席の澤井をチラッとみた。
「うん聞くよ♪好きなんだよね」
少し照れながら答えた。
彩香はaikoの歌に耳を傾けた。
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