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目を開く。やはり、真っ白な世界────
しかし、今度は陰影がある白。
「目が覚めた?」
すぐ傍から奏君の声がする。
あぁ、まだ自分は生きているんだ。
嬉しい気持ちと悲しい気持ちがない交ぜになりながら、声の方へ視線を向けた。
だが、そこには頭から黒いローブを被った人がいた。
そして背中には、対照的な純白の羽根があった。
「……?」
誰?
奏君じゃない。
「俺はカイ、天使だ。そして君は見習い天使となった」
察した様にローブの男、カイは言葉少なに言った。
「今は何も考えなくていい。誤って『消滅の間』に出てしまったせいで消滅しかけている。もう少し眠りなさい。精神体が持たない」
言われて気付いた。体が重い、指一本動かすことが出来ない。
すっと伸びてきた手が目元を覆う。
「眠りなさい」
その言葉を聞いたのを最後に私はまた意識を手放した…────
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