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あれから数日、何度も起きては寝てを繰り返した。
起きる度に体が自由になっていた。
そして、今はカイ君と一緒に部屋にいる。
ここは、医療棟の病室らしい。
私は、あの日交通事故に遭って、その衝撃で体から魂の半分と記憶の全てが切り離されてしまったらしい。
そして、そういった魂は『悪魔』や『魔物』の恰好の餌に成るらしい。その危険から魂を守る為に創設されたのが『見習天使制度』。
死期の近い人間の魂を天界が守る制度。
つまり、私は遅かれ早かれ死ぬ運命だった。
カイ君にそれを聞いたのはついさっき。
何でも、見習天使は地上の体が死に、天界に残りの魂が来たら天使になるらしい。
天使にはいろんな役職があって、カイ君はその内の『指導天使』という役職らしい。
『指導天使』とは、一人の見習天使に付き、天使になるまで指導するのが仕事らしい。
『消滅の間』は文字通り、全てを無にする空間らしい。数日掛けてじわじわと消滅させて行くらしいけど、見習天使の場合は1日もあれば消滅してしまうらしい。
もう1、2時間遅かったら消滅していたらしい。これは地上の体の消滅でもあり、消滅したら二度と蘇らない……
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