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そうなると、魂が転生することは出来ないとカイ君は言っていた。
天使は、いずれ転生し再び地上に戻る事になるとも…
そして、カイ君についても本人から少し聞いた。
カイ君は、十年前に私と同じように交通事故に遭って命を落とした…
本来、生きていたら私と同じ歳になるらしい。
5、6歳で死んだカイ君が何故成長するのか聞くと、天使でも大抵20歳前後までは成長すると説明してくれた。
何故フードを被っているのか、聞いたけれど
『秘密』
と言って、教えてくれなかった。
声が奏君にとてもそっくりで、目が覚めたときは勘違いしてしまった。
それも、
『気のせいだよ』
とはぐらかされてしまった。
その時にフードの影から見えた顔は妖しい笑みを湛えていた。
そんな事を思い出していたら、
「俺の顔に何か付いてる?」
そう言われてしまった。
「?」
どうして、そんなことを聞くのだろう?
「さっきから、穴が開くほど俺を見ている」
苦笑しながら言ったであろう事は気配で分かった。
「えっ、あっ、な、何でもないですっ!」
無意識に見つめていた事に慌ててしまった。多分顔が赤い。
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