1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
暗夜に霞む月、光る星の絆~藤薫る下で~
霞む視界の中で、誰かの泣声を聞いた。
僕の体は重くて、動かせない。
僕は自分が居なくなると悟っていて…
それが僕の中でストンと落ち着いた。
落ち着いた筈なのに、悲しくて仕方が無い。
気持ちと考えが一致しない。
目頭が熱くなって、一雫…
涙が流れた。
『か…らず……や…から…』
途切れ途切れに、言葉が聞こえてくる。
それと同時に、複数の手が僕の冷たい手を、強く…強く…掴んだ。
暖かいその温度は僕に安心感を与えてくれた。
その言葉と温もりは嘘を吐かないと確信していたから。
信じてる
それを伝えたくても、声が出なくて…
僕は微笑んだ。
信じてると伝わる様に。
『 』
視界が真っ暗に染まる直前、何か大事な言葉を聞いた気がした。
最初のコメントを投稿しよう!