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その手は鮮血にまみれていた。
怖い怖い怖い怖い
だけど身体が動かない
鋭い爪があたしの首に食い込む。ぷつり、ブツッずぶ、と爪が食い込む感触と共に激痛が走る。あたしの血が相手の顔を汚した。
「う、あ…あぁああぁぁあッ!!」
痛みで叫んだ。声が枯れるかと思うくらいに。
意識が遠のく。次第に真っ白だった視界が黒くなっていった。
最後にうっすら見えたのは真っ白な兎。
追い掛けなくちゃ。頭に浮かんだその一言は、直ぐさま消えていってしまった。
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