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有夏月と千莉、センティ
「じゃあ始めようか」
そう言って教科書を開く有夏月の姿は先生のようだった。
「有夏月クン、私はどうしよう?」
そう言ったのは千莉である、彼女は目が見えないため点字のプリントが必要だ。
「安心して千莉、ちゃんとプリントはあるよ。センティに渡しといたけど…」
「ほら、これだろ有夏月?」
そう言ってプリントを取り出すセンティを見て有夏月は引きつった笑みを浮かべる。
「センティ…………何にプリントを挟んでたの?」
「何って、利菜の写真集だよ?お前も持ってるだろ?」
不思議そうに聞くセンティに慌てて言う。
「千莉の前でそう言う事言わないでくれ!後、写真集の使い方も違うし!」
必死にセンティの口を塞ぐ有夏月を千莉は冷たい目線を向ける。
「有夏月クン……最低……」
「誤解だよ千莉!そんなの持ってないよ!」
哀みの目を向けられ必死に弁解をする有夏月を見てセンティは微笑んだ。
「お前は千莉の写真集も持ってたよな?」
センティはニヤニヤしながら言う。
「有夏月クン………変態……」
千莉は怒ったように言う、彼女が怒ったらはっきり言って……怖い。
「センティ!余計な事言わないでくれ!千莉違うんだ、これには訳があって…」
慌てふためく有夏月を千莉は冷ややかな目で見る。
「ふ~ん、そうなんだ~、訳って何だろー?そんな事より勉強を教えてよ変態さん?」
完全に怒った千莉のご機嫌をとる事が出来ず有夏月は涙目でセンティを睨む、センティはニヤついた笑みで有夏月を見ている。
「お前ぇぇぇぇぇ!!」
「わ!?有夏月やるのか!」
有夏月は叫びセンティに掴み掛かり勉強開始3分で喧嘩が起った。
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