夢縛るテスト期間

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「利菜~ベランダにいるあの白い鳥は何?」   「詩歌!?ハトだよ!?……ハト知らないの?」   「え!?白いハトなんているの!?私初めて見た!」   「詩歌、本気で言ってるの!?ある意味凄いよ!それより………勉強に集中してぇぇぇぇ!!」 詩歌の天然さは天然記念物級である。利菜の悲痛が響く中、半泣きの亜梨子が叫んでいた。 「愛理衣、私が悪かったわ!貴女は頑張って勉強してるのにその気持ちを踏みにじってしまったわね、でもこんな仕打ちって無いと思うの…これは私にとっては究極の拷問だと思うの!」   必死に訴える亜梨子をよそに愛理衣は小難しい説明をしている。   「亜梨子さんが言っていた光より速いものはありますよ、宇宙はものすごいスピードで広がっているんです。ここまでは知ってますよね?同時に「光」は宇宙で一番速いものなんです。しかし、宇宙の広がるスピードは地球から遠くなるほど速くなり、地球から遠い星ほど遠ざかるスピードは増していきそのスピードはついに光を超えてしまうんです!、ようするに、インフレーション理論によれば宇宙の膨張は光のスピードを超えて加速していく訳で、光より速く遠ざかる物体という運動は物質は光の速さを超えられないとする相対論とは矛盾しないんです、何故なら物体は周りを取り巻く空間に対して相対的に制止していて、光より速く膨張するようになるのは空間そのもの何です。それから……」 「止めてぇぇぇえぇ!!この前の事なら謝るわ!大助の為に作ったケーキとは知らずに食べちゃって、ゴメン!全面的に私が悪いから勘弁してぇぇぇ」 亜梨子の悲鳴が響く中、愛理衣はさらに説明を楽しそうに続けている。その一方アンネ側では……   「おい、兜。このゲームでお前が負ける度にオレ様にケモノマン饅頭を一個づつよこせよ!!」   「俺は初めてやるんだぞ…俺が勝ったら何かあるのかよ?」   「饅頭一個取り消しに出来るでどうだ?」   「それならやってもいいぞ。」   「よし!、よく言った。負けねぇーぜ?」 そう言って盛り上がる2人を見て苦笑いを浮かべる大助。   「あの……アンネさん?勉強は……」   「あぁ?知らねーよそんなもん。」   大助の質問を軽く流して兜をリンチしている。   大助は周りを見渡す、部屋は完全にパニックになっていた。   「何の為に集まったんだ……」 大助の嘆息が虚空に消えた。image=183829094.jpg
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