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夢潰すテスト
全員が慌てるうちに時間は流れ……………テスト初日、普通に勉強をしても間に合わない事は分かっていた、そこで皆で考えた“ある作戦”を実行する事にした。
「大丈夫よ、作戦さえ上手くいけば100点よ!」
亜梨子が自信満々に言う。
「やっぱりあの作戦は違反なので私は遠慮しときます」
苦笑しながら愛理衣が言う。
「確かにあの作戦は……詩歌や亜梨子は使わないといけないけど、私も遠慮しとくわ」
利菜も微妙な返事を返す
「大助、あんたはするわよね?ね?」
亜梨子が大助の胸ぐらを掴み問う、大助は呆れた表情でため息をつく。
「俺がいないと始まらないだろ……やるよ」
珍しく聞き分けが言い、どうしてか大助はソワソワしている。
「どうしたの?薬屋?」
利菜が訝しげに聞く、ソワソワしている原因を突き止めるべく、大助の目線を追う。…………利菜の……いや、クラス中の時間が止まった。
「ニヤニヤ、かっくんは何処ですか?約束の物を貸してあげに来ましたよ?ニヤリ」
まさにニヤリとしか表現出来ないような人工的な笑みを浮かべた少女がいた、彼女の名前は拘狸坂香魚遊と言い変った性格の少女である、大助に常にベッタリとくっつく。ちなみに“かっくん”とは大助の事である。
“虫” ― 人に寄生し、宿主の希望や夢といったものを食い育っていく奇妙な存在。虫に取り憑かれた人間は虫憑きと呼ばれ、自らの夢を引き替えにあらゆる能力を手に入れる。
説明していなかったがこの学校は虫憑きのために造られた学校で全校生徒900人、小・中・高のエスカレーター式の学校であり赤瀬川グループが経営している。生徒のほとんどが虫憑きだが中には虫憑きと仲良くなるために一般人も入学出来るようになっている。またこの学校では号指定というものが与えられ、号指定の生徒は学費免除などが与えられる、号指定は1~10まであり、号指定の基準としては主に戦闘力、知識、潜在力、スタミナなどいろいろな鑑定を受けて決められる。また号指定生徒はそれぞれ火種、秘種、異種の三つに分けられる、火種は戦闘力や運動能力の高い人間に与えられ、秘種は特殊なケースで、異種は不思議な力を使う者に与えられる。ちなみにこの学校には1号指定が5人いる、その1人が大助、火種1号指定“かっこう”なのである。大助は全ての部門でもトップクラスの実力を持っている以外と凄い奴なのである。
「大助は……逃げたわ」
亜梨子が言った。
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