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テスト開始を告げるチャイムがなり、各々の席につく。
「それではテストを始めて下さい」
試験監督の先生は宗方先生だ、産業社会を担当している先生である。
全員が無言で答案用紙にシャーペンを走らせる。そしてテスト開始10分後、複数の生徒の手が止まった。
「……陽炎」
そう小声で言う有夏月より少し離れた所に一匹のカゲロウが出現した、有夏月の虫であるカゲロウはベランダに這い出て熱を秘めた球体をある場所に発射する、その場所は大助達のいる校舎とは反対にある校舎の屋上だった。
空に沢山の光が舞い上がる、その光の正体は花火だった。
「何事だ!?」
宗方先生が動揺しベランダに出る、その一瞬を亜梨子は見逃さなかった。
「亜梨子メガフレア!」
渾身の力をふり絞ってある物体を投げた、その物体は水晶玉だった。
ゴォッ
鈍い音が響いた、宗方がベランダに倒れているのが見える。
「決まったは…作戦通りね!」
亜梨子が喜びながらVサインをしている。
「ちょ、ちょっとまて!何で水晶玉なんだよ?作戦じゃあクロロホルムで眠らすんじゃぁ…」
慌てながら聞く大助
「香魚遊に頼んだら無いって言われたもの?だから代りに水晶玉を借りたの」
「………ちょっとまて……水晶玉借りなくてもよかったんじゃ無いのか!?わざわざ俺が生け贄になった意味あんのかよ!」
「大助が生け贄になるのも作戦よ、ほら、まだ終わりじゃ無いんだから」
大助はまだ何か言いたそうだが我慢してるようだ。
「それじゃあ作戦続行よ、千莉お願いね?」
亜梨子が千莉の方に向きお願いする。
「うん、わかった」
手を止めて集中する、周りの空間が少し熱くなったような気がした。
「これで教室に誰か近付いて来ても感知出来るよ」
千莉は能力の一つで感知能力を持ち合わせている。
「よし、後はアイツね…」
亜梨子はそう言って詩歌を見た、詩歌はというと楽しそうに花火を見ていた…
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