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「なるほど~……なるほどね~」
茶深は勝ち誇った笑みを浮かべて戌子を見据える。
「あんた、カンニングしてたでしょ?」
茶深の放った一言で戌子の表情が凍り付く。
しめた!やっぱりカンニングしてたのか……だったら好都合だわ……
心中で呟き戌子をに詰め寄る。
「あんたはカンニングする為に理科室に忍び込んだ、そして魅車が私達のいる方角を見て私達がテストの回答を知っていると思いここに来た、そして風紀委員の仕事と乗じて私達を魅車に突出し、さらにテストの回答をメモした紙を奪う気だったのね?私達を突出す事で内心点が上がり、さらに回答のメモでテストの点数を稼ぐ……一石二鳥の作戦だった訳ね?」
ズンズン詰め寄る茶深を戌子は睨みながら微動だにしない。
「全てでっちあげだ~……それは君の想像上の話だろ?~」
全く退こうとしない戌子、だが茶深は不敵に笑っている。
…これが失敗すれば全て終わりね…だが成功すればこっちのもんよ!食らいつきやがれ!
「じゃあ私達を魅車に突出しな、その代わりあんたも一緒だよ?魅車に頼まれてここに来たのなら堂々といけるハズよね?それに突出すのはかっこうを含めクラスの全員を突出す事になるわよ、魅車に突き出したら全員即退学だろうねー、そしたらあんたの評価はいっきに上がるわよ」
クラス全員と聞き戌子が目を見開き動揺する。
勝ったわよチクショー!!
茶深はありったけの力を注ぎ込み能力を発動する、戌子の後ろに赤い煙の女王蜂が現れ首筋を鋭い針で刺したかと思うと煙になり戌子の体に吸い込まれる。
「………!!」
目を見開き固まる戌子を見て茶深が肩を叩く。
「あんたはこの事は忘れな、全て悪い夢だったのさ」
茶深の一口で戌子から煙が噴出し茶深の体に戻る。
「成功はしたけど流石に早いわね……もう私の効果がキレた……どれだけの精神力よ……」
呟き戌子にバレないようかっこうとコノハと共に教室から出る。
「なんでボクはここにいるのだ~」
戌子の叫び声が聞こえたような気がした。
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