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夢始まる学園
にぎやかな笑い声に包まれる早朝の教室、クラスメイト達が各々のグループで談笑している中、1人の少年、薬屋大助はため息をついた。
「何なんだよ……このクラス…」
大助がため息をついた理由は二つある。
まず、一つ目。
大助のクラスメイト達だ。
「なんで個性的な奴等ばかり集まってるんだ…」
その通りである。大助のクラスは他のクラスに比べて変な奴が多い
大助の席は廊下側の一番前の席だった、体を教室を眺めるために傾ける。
その大助の横の席には日比野一房(皆はセンティと呼んでいる)が真剣に何かを見つめている。
「センティ、何見てるの?」大助がセンティに話し掛けるとセンティは微笑みながらこっちを見た。
「何って、利菜の写真集だよ」
まさか真面目に答えるとは思わなかった、確か報道部の連中に利菜の写真集を作ってくれという意見が多かった為に、利菜に内緒で作ってるらしい、一冊5000円だが凄まじい数が売れてるらしく、中には10冊も買って行く兵もいると聞いた…
「は、はは…そうなんだ…」
苦笑を浮かべる事しか出来ない。
「大助君もいる?一冊あげるよ、俺は10冊あるから」
コイツだ………大助は心中で呟く。
「遠慮しとくよ…」
センティの他にも変ったキャラはまだいる、例えば大助の席から1列あけた前から3番目の席に座っているのは城谷怜司(皆からはアイジスパと呼ばれている)が教室で堂々と煙草を吹かしている、怜司は不良だが頭がいい。
「よく堂々と吸えるな…」
呟く大助が思った通り、学級委員長がやってくる。
「ここは煙草禁止だゼッ!」
そう言ってやって来た学級委員長こと田央萌々だ。ゼッの部分にアクセントをおく独特の言葉遣いが特徴である。
………はっきり言って彼女も問題児である。
「……………」
「無視するんじゃないゼッ?」
「……………」
「聞いてる?ねえ?」
「……………」
「………ねえ?」
ベチョッ!怜司の顔面にペンキが塗られている。「天誅だゼッ?」
「…………何しやがる」
「無視したからお仕置ですぅ~罰として今からこの紙にコアトルヘッドを100回書くこと!」
彼女は少しでも違反する生徒を見つけてはマーカーで塗って来る、さらに今、ブームのおまじないのコアトルヘッドを無理矢理何回も書かせてくる。
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