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翌日教室に入ると、相変わらず卓達は眞紀を嘲笑うかのように見ている。
チャイムより少し早めに先生が入ってきた。
「昨日書いて貰った作文について話し合いたいと思います。まず何人かのを読みます。最初は…丸光さんね」
先生が原稿用紙を取り出した。そしてタイトルのいじめ、と読まれるとざわつき始めた。もくもくと読む中、書かれている卓達の名前が名指しされると睨みつけてくる。明仁にしては
「そんなことしてないよ」
の始末。
「嘘をつくな。こっちは見たんだ」
眞紀が言うとふん、と鼻を鳴らした。先生は目に涙を浮かべながら読んでいる。
一通り読み終えると一つ咳ばらいをすると
「この作文についてどう思うか紙に書いてください」
紙を配りながらそういっている。まるで眞紀の作文を採点するかのような言い草だ。
「最悪~なんなんだよ、」
卓は周りに同意を求めるように騒ぎ立てる。それにあおられたのか、そうだよね、などと聞こえてくる。
「静かにして、早く書きなさい」
先生に一喝されると渋々書き始めた。みんなもぶつくさ言いながら書いている。
チャイム学校鳴り、書いた紙を集め始めた。
「次の時間に話し合いたいからね」
先生は集めた紙を揃えるとそういって職員室へ向かった。
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