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卓が転入してきて、もう一ヶ月が過ぎた。彼もすでになじんでいた。
ある日の給食の時だった。卓が突然眞紀の側に寄って来た。
「これ、お前の鼻糞だろ」
そう言って、牛乳ビンの上の青いビニールにそれを乗せながら突き出して来た。
は?
眞紀は事態が飲み込め無い。
「俺の給食のスープに入ってたんだよ」
睨み付けながら笑う。周りの男子も笑っている。
よく考えると卓の席は廊下側の1番端っこにあり眞紀の席は窓際の1番端っこにある。常識として考えれば届くはずが無い。しかし卓はそれを鼻糞と決め付けている。仕方なく眞紀はそれを受け取りよく見ると、鼻糞でもなんでもない。ただのモヤシカスだった。ごみ箱に入れると掃除の為に廊下へ出た。
背後からは卓の笑い声が聞こえる。
掃除を終え教室に入る。次の授業の準備をするために。眞紀はふと隣の席を見た。かなり離れいてる。この時のクラスは二人づつ並んで座っている。机をくっつけて。今の時代では机はつけたくないが、この時の眞紀は何かチクリとした。
翌朝から、クラス全体の空気がおかしい。何かが違う。いつも遊ぶ女子に声を掛けても愛想笑いだけが返ってきた。
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